■城陽学院シリーズ■代表
ハビエル「上級国民を断罪するのはいいことだと思う」
一条「……あなたはまた、感情に流されるままどうしてそう、いとも簡単にメーター振り切った妄言を口に出来るんですかね。だいたい上級国民とかいう香ばしさ満点ワードを恥ずかし気もなく三十路間近のおっさんが口にするのはやめておきましょう。そんなことよりハビ、今日は僕らの祖国で元号が変わる大事な24時間がスタートしたんですよ」
ハビエル「それはめでたいね。遥か遠いエスパニアのバーガーキングから、心を込めて愛する日本のエンペラーへ感謝と祝辞を述べさせてもらうよ。店内でワッパーにかぶりついているサッカー選手達も、きっと僕と同じ気持ちのはずさ」
一条「ありがとう。同胞たる春日、東照宮両選手もハビにお礼を言いたいと思います。しかし、アナーキストの口からそんな常識ある言葉を貰えるとはちょっと驚きましたよ。いつもそうだと僕も安心できるのですが」
ハビエル「いやだなあ、僕はいつだって真面目なエスパニア人さ。民は一日一日を慎ましく生きているものだよ。そんな僕らを搾取し、踏み躙り、精神的に殺し続けているのが上級国民だ。ヤツらは血税で私服を肥やし、司法を捻じ曲げ、警察に己の犯罪をもみ消させて、僕たちを見下し嘲笑しながら生きている。これが許されることだろうか。エスパニアに階級制度はいらない。篤、君たち日本人も目を覚ますんだ。上級国民をブチ(ピー)せ〜! 上級国民を地中海と日本海へ投げ捨てろ〜! おい、篤、小説なのに今ピー音が入らなかったかい?」
一条「あまりにも酷い目を覆いたくなるほど乱暴かつ子供じみた主張のため、自主規制させて頂きました」
ハビエル「規制だと? 検閲されたというのかい? なんてこった、この世界ではすでに監視社会がまかり通っていたというのか。表現の自由や思想信条の自由さえ損なわれたのだな」
一条「革命闘争にルサンチマンは大きなブーストとなるかもしれませんが、それだけではみんなすぐに飽きてしまいます。人心を説得できるだけの理屈を用意しないと。そんなことより聞いてくださいよ、僕はいつまでエスパニアに流刑されてるんですかね」
ハビエル「流刑とはエスパニア人である僕に対しいささか失礼な言い草じゃないか?」
一条「羽根付き大会以降、僕は恋人と顔を合わせてないんですよ。なんと、更新履歴を遡れば7年も前から引き離されっぱなしなんです」
ハビエル「メタネタ言っちゃった。書き手も好きじゃないから控えたほうがいいよ」
一条「この企画自体がメタでしょうが。なんかね、もう永遠に結ばれないような気さえしてきたんだ」
ハビエル「最新の更新で僕が君に贈った言葉をあっさり無駄にするような発言も控えようよ。君と妖精ちゃんが悲恋に終わっちゃったら、このシリーズの主軸自体崩壊したも同然なんだから」
一条「そうなの? でも、「3」突入後はコミュ障野郎が大きな顔して目障りなんだけど。まだワンチャン残ってるって信じていいのかな」
ハビエル「たしかに攻ポジ巡ってちょっとした下克上と既成事実が成立した感はあるよね」
一条「……峰の代わりに出家していいですか」
ハビエル「いいわけないだろう、君には僕と革命を起こす使命があるというのに。このプラカードを持って、ソル広場の街宣活動に参加しようよ。僕らの力で上級国民を吊し上げるんだ……あれ、篤? どこ行くの? 集合は夜だからまだ早いよ」
一条「……ちょっと一人になりたいから西峰寺で写経してくる」
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