「城陽学院シリーズ」

*その他の登場人物及び用語辞典はこちら(フレーム使用。別ウィンドウで開きます。)

☆本作品のおもな主人公☆

原田秋彦(はらだ あきひこ)・・・BD:11月30日。H175。城陽学院高等学校2年E組。(『春の嵐』より3年/『君を想う』より泰陽文化大学1年)諸事情あって伯母夫婦宅で世話になっている。俺様な性格で一条篤を犬扱いしていたが、一途な思いを受けて段々ほだされてゆく。中学以来の親友である江藤里子には頭が上がらない。中学時代は一条に一目惚れされたほどの美少女ぶりだったが、女子トイレに潜入したり、江藤のスカートの中を覗いたりと、順調に変態として成長している。
髪はやや明るい色で襟足はわずかに肩に触れる程度の長さ。ときどき後ろでひとつに括っている。「寝ぼけ眼でさえも、ちょっと目を見張るぐらいの綺麗な顔」(江藤評:『Dream Chocolate』より)

☆クラスメイトたち☆

一条篤(いちじょう あつし)・・・BD:3月26日 H185。城陽学院高等学校2年E組。(『春の嵐』より3年/『君を想う』よりチューファ大学1年)寄付金が唸る城陽学院のなかでも恐らく一番の金持ちの癖に、未だに家のトイレが汲み取り式。中学時代は成績優秀な二葉学園に通っていた。父親の仕事でしょっちゅう外国に連れ回されているため、英語はもちろん、エスパニア語も支障なく話せるほぼトライリンガル。中三の夏休みに女性専用車両に乗っていた秋彦を女の子と間違えて告白をした過去があり、それをきっかけに運命の恋へ。金持ちらしく、基本的にはおっとりした性格だが、怒りだすと頑固で我が儘。秋彦をめぐり、同じ中学出身の峰祥一を警戒している。
髪は黒く掴める程度の長さで、黒目がちな目元の優しい印象。家柄も手伝って非常にモテる。「綺麗に筋が通った鼻を摘まんでみる。少し厚めの唇が薄く開き、今度はそっちで呼吸をし始めた」(秋彦評:『大晦日から元旦にかけてのお話』より)

江藤里子(えとう さとこ)・・・BD:1月11日 H153。城陽学院高等学校2年E組。(『春の嵐』より3年/『君を想う』より泰陽文化大学1年)剣道部所属。2年のときはクラス委員をやっていた。小学校時代は城南女子学園に通っていたが、剣道を続けるために城陽学院中学へ入学。城南女子の山崎雪子とはその頃からの因縁。霊感が強いところまでライバル関係。世話好きで料理全般こなせる。男前だが好きな男に手を握られただけで真っ赤になるほど純情。
髪は黒くまっすぐ。元気で可愛い感じの女の子。「いつもは下ろして、ヘアピンでとめる程度が関の山のおかっぱの髪も、上げてふわふわとさせてあり、やはり桜の髪飾りが付いていた」(秋彦評『大晦日から元旦にかけてのお話』より)

峰祥一(みね しょういち)・・・BD:10月25日。H180。城陽学院高等学校2年E組。(『春の嵐』より3年/『君を想う』より泰陽文化大学1年)城陽の異常にレベルが高い編入試験を突破してきた二葉からの転校生。ヤンデレな妹からのDV被害に遭っているが本人も相当なシスコン。酷い金属アレルギー持ち。秋彦のことが気になっているが、その気持ちを自分で持て余している。妄想の中で秋彦を妹設定にしたり修学旅行先の記念撮影館でドレスを着せたりと、その想いはやや屈折気味。3年進級時に、思うところあってクラス委員へ就任。非の打ちどころがない容姿だが、目つきが悪く、たまに開く口の利き方が容赦ないため、本人をよく知らない女と妹以外にはあまりモテない。だが不器用なだけで基本的に悪気はなく、さりげない優しさを見せることもある。家族は全員超美形だがいろいろと問題の多い一族。夜中に妹の部屋を覗いている疑惑あり。
髪はやや明るく、少し癖があり、掴むと指先から零れる程度の長さ。「端麗で切れ長の双眸に、まっすぐと俺を捕えて」(秋彦評:『ラクレマ』より)

直江勇人(なおえ はやと)・・・H175。城陽学院高等学校3年E組。(『君を想う』より泰陽文化大学1年)文芸部所属幽霊部員。整美委員。臨海公園駅前商店街のカレー専門店『FLOWERS』アルバイト店員。バイト先の店長に気に入られており、秋彦達もその恩恵に与っている。『FLOWERS』は山崎ら城南オカ研ガールズの第2の部室にもなっている。好みのタイプは秋彦で、苦手なタイプは峰。既存のレシピ通りに作る料理の腕は確かだが、オリジナルメニューは人を殺せるレベル。

☆それ以外の友達関係等☆

山崎雪子(やまざき ゆきこ)・・・H165。城南女子学園高等学校2年。(『春の嵐』より3年/『君を想う』より泰陽女子学院大学1年)オカルト研究会所属。小学校時代から江藤と同じ道場に通っている、江藤の永遠のライバルだが、肘の故障で剣道はドクターストップ中。都市伝説が好きで気位と女性としての権利意識が高すぎる乙女。街の有名人である一条を狙ってはいるが、国立公園で滑落したときに助けてくれた秋彦のことも気になっている。
「山崎は、目もとが涼しげで髪の長い美少女なのだが、彼女がそう言ってほほ笑みかけたにもかかわらず、ナンパしたはずの一条が動揺して俺の顔色を伺っている。」(秋彦評:『月光〜肝試し編』より)
 
佐伯初音(さえき はつね)・・・H170。城南女子学園高等学校2年。(『春の嵐』より3年/『君を想う』より泰陽女子学院大学1年)オカルト研究会所属。背の高いボーイッシュな少女。円滑なるオカ研の運営を切に願い、江藤を見るたびに喧嘩を売りまくる山崎と、女の自分にラブラブ光線を送って来る小森に頭を悩ませる日々。女子校で本人も女子なのに、バレンタインデーはチョコレート攻めにされる。だが、好物なので素直に受け取っているという罪な人。他県出身のために寮住まいだが、同室の小森によってじわじわと貞操を侵されつつある。実は巨乳。
「その両方から、カラフルな包みを溢れさせ、立ち止った背の高いショートヘアの学生は、我がオカルト研究会所属の2年、佐伯初音」(山崎評:『Dream Chocolate』より)

小森みく(こもり みく)・・・H145。城南女子学園高等学校1年。(『春の嵐』より2年/『君を想う』より3年)オカルト研究会所属。カールした髪をキャラクター物の髪飾りで2か所ずつ留めている小柄な少女。恐らくオカルトに興味はないが佐伯への思いを遂げるために熱心に活動しつづけている。市内出身のくせに寮で生活し、どういう手を使ったのかまんまと佐伯と同室に。その情熱は今にも入籍しそうな勢いである。
「身長は170センチある佐伯の肩よりまだ低く、傍から見ていると、小森の可愛いけれど奇抜な容姿も手伝って、大きなマスコット人形が佐伯にぶら下がっているようにしか見えないが(後略)」(山崎評:『Dream Chocolate』より)

峰まりあ(みね まりあ)・・・H148。二葉学園中学3年。(『春の嵐』以降は同高等学校へ/『君を想う』より同高2年)峰祥一の妹。兄が世界の全てというツインテール美少女。友達は作らない主義だが、かつて石川こずえという友人がいた。彼女が苛めを苦に自殺をしたことは心の傷となっている。秋彦のことは変態と思っている。祥一の修学旅行中にはスパム業者顔負けの大量メール送信で兄の携帯をアタックしていた。ある誤解がきっかけで、高1の二学期から都市伝説研究部に入部。呪いの知識と技術を身に付ける。

香坂慧生(こうさか えいせい)・・・H163。城西高等学校2年。(『春の嵐』以降は退学してフリーター/『君を想う』より泰陽製菓専門学校1年)第二次性徴もまだかと思うような中性的で小柄な容姿の美少年。格差社会を憎み日本の未来を嘆く愛国者にして悲観主義の元不登校児。肉体関係がある医者の恋人がいるが、ちょっと優しくされるとすぐに恋に落ちる惚れっぽい性格。暇があれば国立公園に潜入して自殺を試みるが、通行人に無視されると逆切れする。

進藤伊織(しんどう いおり)・・・H180。女子大付属病院の理学療法士。山崎の道場仲間で主治医ではないがときどき診ている。慧生とは肉体関係を伴う恋人で堅い職業柄に反し、ややマニアックなプレーを好むため慧生を悩ませている。勤務医でありボランティアで山林警備隊活動も行っているため忙しくなかなか思うように恋人と会えないが、執着心は強く、慧生と仲が良い秋彦が邪魔で仕方がない。

リタ・・・H170。本名:リタ・ルイス・ソロージャ(Rita Ruiz Sorolla)。エスパニアの女優で、いつもテレビCMやファッション雑誌のグラビアを飾るアイドル的存在。母親はチューファ市長のカルメン・ソロージャ・カストロ。父親は不動産会社経営のダビド・ルイス・フェレール。奔放な言動で常にマスコミを騒がすスキャンダラスな面があり、仕事の関係で一緒になることが多い一条との熱愛報道は定期的に持ち上がるタブロイドネタ。母娘ともに狂信的なサッカーファンだが、母はナランハCFを応援、本人はラナFCを狂信的にサポートしている。とくに主将の石見由信への愛は本物で、代表試合では自国ではなく石見がいる日本代表を応援し、きっかけがあれば立場を利用して、相手の意思にお構いなく石見に近づこうとする。想いを成就させるべく日本文化と語学習得のために任侠映画を片っ端に視聴。その結果本人も立派な任侠となった。ハンドルネームは「浬汰類巣揃鵜蛇」。

石田有朋 (いしだ ありとも)・・・H178。愛称「トモ」。『Marine Hall』のマスター。髪は短く刈り込んでいる。シャープな印象の顔立ち。大学生だった前世紀から、当時はプールバーだったMarine Hallでアルバイトを始め、そのまま店を引き継いだ。2歳年下に是清(これきよ)という名の弟がいる。

大谷晋三(おおたに しんぞう)・・・H165。愛称「シン」。『Marine Hall』従業員。明るく肩まで長さがある髪を後ろで束ねている。小柄で可愛い感じの男。一見若いがよく見ると年齢不詳。実家が喫茶店のため、チョコレートパフェやナポリタンといった喫茶店メニューが得意。たまに在庫を確認せず、適当にオーダーをとったり、冷蔵庫や貯蔵庫の中身を使っては、勝手なメニューを客に出すため、後で有朋に叱らていれる。有朋とは大学時代からの付き合いであり、バイト時代からの同僚で、プライベートでは恋人。だがイケメン好きなので、しょっちゅう店で色目を使っては男性客を戸惑わせている。

南方譲(みなみかた ゆずる)・・・・・・H185。28歳。『Cappuccino』のオーナー兼パティシエ。伊織の白鳳高校時代の友人。仕事には厳しいが情に篤い男。

 

☆家族・親族関係☆

原田英一(はらだ えいいち)・・・H176。40代後半。秋彦の伯父で風景画家。父親から受け継いだ会社の経営を妻に任せ、自身は好きな絵画の道を進んでいる。秋彦の両親の死を巡り、犯人へ今でも静かな怒りを滾らせている。のんびりした性格だが、結構意地悪な人。仕事で主にヨーロッパを飛び回ることが多く、各国の挨拶と愛の告白の言葉を、コミュニケーションの為に暗記している。
白髪混じりの豊かな髪を後ろへ撫でつけている。可愛いもの好きでアトリエに置き物やマスコットを飾っている。とくに猫グッズ好き。

原田冴子(はらだ さえこ)・・・H165。秋彦の伯母。50代でMacを自由に使いこなし、制服会社のデザイナー兼実質的な経営者。しっかり者の姉さん女房。弟の冬矢の人生を狂わせた上に自殺へ追いやった秋彦の母、夏子を今でも許すことができず、年を追うごとに夏子に似て来る秋彦を複雑な気持ちで見守っている。秋彦のフラッシュバックの引き金となった篤を警戒するようになるが、その理由は彼女自身の辛い体験と無関係ではない。

蒲公英はるえ(たんぽぽ はるえ)・・・H175。本名:氷室春江(ひむろ はるえ)。秋彦の叔母。夏子の妹であり、英一の美術モデル。元ポルノ女優のためまともな仕事の獲得に苦労している彼女を、事情を知っている英一が支援している。奔放で無邪気な性格で、秋彦の記憶の中の夏子と面影が重なる部分が多い。

美村夏子(みむら なつこ)・・・H158。秋彦の母。旧姓:氷室夏子(ひむろ なつこ)。イメクラ「ワルキューレ」の元ナンバーワンイメクラ嬢で、ついた客は数知れず。当時は年齢を詐称して労働。源氏名は美希(みき)。17歳で秋彦を生み22歳で殺害された。現在の秋彦と非常に容姿が似ている。

美村冬矢(みむら とうや)・・・H177。秋彦の父。冴子の年の離れた弟。友達に誘われ、ふらりと入った「ワルキューレ」で夏子と出会う。しっかり者の姉と違っておっとりとした、気弱な性格。夏子が殺害された直後、秋彦を残して首を吊って自殺した。

峰佳代子(みね かよこ)・・・H155。祥一、まりあの母。お菓子作りと実の兄で西峰寺の住職である幸助へ贈り物をするのが趣味。40代にして夜の繁華街でナンパをされることが自慢。家事はまったくせず、すべて子供に任せて趣味三昧という困った人。

峰優一(みね ゆういち)・・・H175。祥一、まりあの父。税理士。婿養子なので妻や舅の言いなりである。

峰幸助(みね こうすけ)・・・H172。戸籍名は僧名の「幸恕(こうじょ)」だが、家族、知人は旧名の幸助で呼んでいる。西峰寺の住職で、祥一、まりあの伯父。ともに妹の異常な愛に悩む祥一のよき話相手。趣味は囲碁。のんびりした性格のため、甥に指摘されるまで妻の家出に気付かない。子供がおらず、寺の後継者問題に悩んでいる。

一条達也(いちじょう たつや)・・・H188。篤の7歳年上の従兄で一条建設代表取締役社長の秘書の一人かつ、篤の教育係。容姿は非常に篤と似ており、姓が同じであることも手伝って、兄弟と間違われることが多い。茶目っ気がある性格で、話しぶりなどは軽い感じだが、洞察力は鋭く、一条家において唯一の篤の理解者。篤の修学旅行直後に一条建設チューファ支社を退職したハビエル・バルケス・モルテは彼の恋人。その他、見合い結婚の末得た妻と子供もいる。

江藤潔(えとう きよし)・・・H180。40代後半。里子、直の父。太い眉を持ち、子供の教育には文武両道を徹底する厳格な男。N県警本部捜査一課長として多忙な毎日。美村夏子が殺された『城西公園女性殺人事件』当時は、課長補佐として、学生のドラッグパーティーを追っていた為、直接関わりはなかったが、容疑者の釈放直後、苦情を申し立てに来た被害者の家族より罵声を帯びせられており、事件に興味を持つ。その後、私費で探偵を雇い、元容疑者の監視を続けさせていた。ノンキャリアの熱血警察官。

☆学校関係者☆

井伊須磨子(いい すまこ)・・・元県立城西高校司書教諭。現私立城陽学院高校現国教諭。秋彦たちの担任。男に騙され易く、修学旅行で訪れたチューファで現地のイケメンにプロポーズされ、現地のマンションを一括購入。ところがその名義を勝手に書き換えられたうえに売却されていた。過去には年下のヒモに車を貢いだ上に捨てられたこともあった。年齢不詳。

有村小五郎(ありむら こごろう)・・・私立城陽学院高校の美術教諭で秋彦たちの副担任。教師生活2年目の若者。井伊よりも生徒の自主性を重んじる方針だが、単に押しに弱い性格という見方もできる。生徒にやや舐められており、女子からは「有村ちゃん」と呼ばれてる。爽やかな好青年。

☆その他☆

・霜月勤(しもつき つとむ)・・・享年20歳。(生きていれば、『春の嵐』以降は32歳。『君を想う』以降は33歳の筈)H178。秋彦の母、夏子を殺害した容疑者だが、動機不十分ですぐに釈放されている。幼い秋彦の遊び相手でもあり、幼児虐待を行っていた可能性がある。人の良さそうな顔をした男。ラーメン専門店『彩』(あや)の従業員、マサ(広中正純)と会った時、秋彦はなぜか霜月の記憶を呼び起されたが、二人は似ても似つかない筈である。



『城陽学院シリーズPart1』へ戻る